演奏告知 今月末 

 物理的に、また精神的に、もう、演奏しないかも、いや、出来ないかもと思って、各方面に一応のご挨拶などお送りした少し後で、神とも思うJohn Mclaughlinに作品をお褒め頂いた、と聞き、演奏しなくちゃ、と思いはじめた直後に、演奏依頼を久しぶりに頂いた。Craw Daddy Club http://sound.jp/crawdaddy/ 新宿は歌舞伎町。

 利き手が思うに任せないので、地味なトレーニングを続けている。弾きづらい部分を繰返し稽古中、帰宅していた娘が口笛で合わせてきやがる。変な感じ。ジョンの言葉を頂く前に、この娘が、独り暮らしを始めたアパートで、父親の演奏動画をネットで見つけ、足立兄弟を気に入ったらしく、何度か「すげい」等とメールを寄こしたのも復帰の原因。

 なんか、台本でもあるみたい。

長生きはするもんだなあ

 AUSIAでの盟友、一噌幸弘が、先週Blue Note東京で行われたJohn Mclaughlin, & the 4th dimension の公演に出かけて行き、楽屋を訪ねた際、ジョンは、以前、お聴き頂く様に差し上げたAUSIAの「かさかさ」を、「素晴しかった」と言って下さったのだそうだ。

 60年代から、常に多くのギタリストを、音楽ファンを魅了し続け、新しいアプローチを追い求める世界最高峰の演奏家、作曲家である。無論、私,足立宗亮にとっても神そのものの人であって、この事態をどう受け止めたらいいものか、少し時間が掛かった。

 自分たちの作品を名盤とするのは、手前味噌に過ぎるだろうが、この作品に関われた事は、紛れもなく名誉であった。

 天上の、見えない程の高みに在した、尊い存在が、突然、目の前に降りていらして、「お利口、お利口」と、頭を撫でてくれた感じ?  きゃ〜っ!  嬉しいよおっ!

Jethro Tull Thick as a brick

兄、龍介が先日行われたジェスロタルの来日公演の演奏を収めたCDRを送ってくれた。タルの唯一のオリジナルメンバー、フルート、ギター奏者にしてヴォーカル担当、タルの楽曲の、ほぼすべてを、60年代後半から作り続けている、イアンアンダーソンは、もう発声が上手くいかなくなって20年近い。しかし、録音では、もう声が出なくなって久しいフレーズも、若々しい声で唄われている。いぶかしく思っていたら、You Tubeに2013年のタル画像があるから見てみろと。サブヴォーカリストとして参加している青年が、まあた良い味だしてんのよね。怪しい。彼がヴォーカリストとして演奏をリードするときは、あの!イアンがフルートに専念しつつ、彼のバックに回るのだった。そして、かつて無かったほどにイアンのフルートは強調され縦横無尽に楽曲を彩り盛り立てるのであった。
 名曲 Thick as a brick は、70年代初めの最盛期に劣らない完成度で披露された。しかし、彼らの凄い事は、往年の名曲にすがる事無く、新曲で勝負を仕掛けてきている事だな。新曲Thick as a brick 2 名曲だよ。

猫のしっぽ・・・

 Eテレの番組、猫のしっぽ、かえるの手http://www.nhk.or.jp/venetia/に出てくるベニシアさん。50代半ばを過ぎた自分と同年代の彼女は、イギリスで生まれ、今は、京都の大原、大きな庭を持つ、築100年の古民家に一人住まい。

 昨日のO.A.は、もう寒い秋の朝、古い薪ストーブに火を起こすとこから。庭の大きな木の根元に、増えすぎた薬草を掘り返して腐葉土(自作)を撒き、来年の春に咲くように選んだ球根を、背の順に、咲いた時の様子を思い描きながら植える。

 友人が焼いた天然酵母の茶色いパンに、オリーブ油で炒めた、みじん切りにんにくとマッシュルーム、たっぷりのタイム(自作)をなすりつけたトースト。 パンは、ガス台に乗せた金網で焼く。ロンドンの安アパートに初めて住まった時の、ガスのトースターを思い出した。最初は、それがなんなのかさえ見当が付かず、トースターと気付いてもどうやって使うのか察しをつけるまでに随分掛かった。「手間が掛かるけど、こうやって焼くとなんだか美味しいの」と彼女。

 近所の大工さんに、来てもらって、襖の立て付けを直してもらう。ドアで部屋を開け閉めしてきた彼女に、梁が下がり、動きの悪くなったふすまにカンナをかけ、蝋を擦り、物の5分で、復活させた大工仕事は、魔法を見るようだった。雨の漏る屋根の一部も修繕してもらう。親子の大工は、組み木で屋根を直す。ねじくぎを使うと一旦は強く支えあった木が、痩せたり、乾燥したりして辻褄が合わなくなる。木だけで組むと、材料が馴染んで、ゆがみやすきまをうまく綴じていく、と親父。20代と思しい息子は、この家の大黒柱や頑丈な梁が、人の暮らしを、100年もの長い間、支えて、見つめてきたのだと思うと感動します、と。壊れた所は、直して使えばいい。

 家の内外で吸い込む空気が好きだ、と言う。まるで家自体が呼吸してるようだ、と。 台所のハーブや、薬草(どっちも自作)などを入れた缶や小瓶を置く、棚として使っている古い箪笥を、クリスマスまでに少しづつ綺麗にする、という。これだけの番組。http://www.youtube.com/watch?v=G-qOmfP4Dxo←で見られる回もあるね。

 こんな暮らしもあるんだな。日々の小さな喜びや楽しみを見つけ、今ある物を愛で、足りる事を知る。う〜む。身につまされる。

おなかよじれる

 しょっちゅうテレビを見てると、色んな興味深い言い回しに出くわす。全米の「お茶の間」、キリスト教の「大本山」、英語のイロハ…などなど、実際に番組内で聞こえてきた物。

 昨日は、○ューピ○3分○ッキ○グで、おそらく関東でいう、標準語圏外の若い女性講師が、「炒める」という作業を、「油焼き」と言い始め、番組終了までそれで押し通した。何食わぬ顔で「先生、油焼きは強火で?」等と、追従する若い女性局アナ。油焼きの途中、食材のひとつであるゴーヤが、処理しだいで苦味が抑えられ、食べやすくなるのだとして、半生のそれを女子アナに食べさせた。妙な表情を浮かべ,何とかそれを飲み下した彼女、「クセの強い…いえ、クセになりそうなお味ですね…」だって!なんとも充実の3分間!

King Crimson '74

King crimson'74の演奏。今まで断片的に流出されてはいたが、この映像ヴォリュームで見られるのは初めてだった。そして数々の新機軸、メロトロンやヴァイオリンの持つ音色、バロックの進行とオーケストレーションから得られる叙情性の活用、ジョンとビルの神がかった集中、そして、もちろんフリップ の複合リズム、エレクトリックギターの、その後の音色を決定付け、なおかつ余人にそれ以上のコントロールを許さない、まったく独自の技術と演奏法。Larks' tangues in aspic 一枚でグループを離れた、ジェイミーミューアの存在感と内部触発を欠いた後の彼らに、残された影響とも受け取れる、一瞬間も緩慢な部分を持たない当時の彼らの演奏は、やはり永遠の物と思われる。

みか展

友人の画家下村美佳が銀座ギャラリーなつかで個展をする。

http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/natsuka/2013/shimomura_mika13.html

みか展
2013.6.17(mon)−6.22(sat)
ギャラリーなつか&C-View
11:00a.m.-6:30p.m.(土曜日 5:00p.m.)
≪光の波動―oil on canvas―≫