これに気付くまでに…

 何度も書いたが、エレキギターと言う楽器は、多彩なスイッチやつまみで、音質が変化させられる、メカニカルな側面を、大きな魅力としている。しかし、上の写真、以前にも掲載した、兄のレスポールJr.俗にフラットトップなどと呼ばれ、レスポールシリーズの廉価版として売られていたもの(のコピー…)なのだが、これにはピックアップが一つしかついてない。つまみはヴォリュームとトーンだ。これを使って、とてつもなく太い音を出したのが、マウンテンのレズリーウェストだ。すなわち、複数のピックアップを切り替え、選択するたくさんのスイッチ類、や回路を、連結する銅線や回路そして、その回路どうしを接触させる端子とその固定に用いられるハンダは、数が増えるにしたがって、ダイレクトな出力から遠くなっていって、音を痩せさせるのだ。電気的な増幅が可能なエレキギターと言う、機械ではなく、やっぱり楽器なのだな。指やピックで弾いた弦の振動が、ブリッジやボディを伝って、ピックアップの磁力に作用させ、電気増幅に至るのだ。我々は、電気を音楽表現に取り入れた最初の時代を生きてきたのだ、と書いた。数々の奇跡的な音楽が創作され、必ずしも音楽教育に時間を割いた訳ではない者にも、名演を残す可能性のあることに、人々は気付かされたのだった〜!