シャケの感じ・・・

 幼なじみの勧めで、中学を卒業した頃から、青少年、というような時期までを暮らした、大森で、今夜、演奏する。

 英米の音楽に憧れ、かの地への想いを膨らませ、大森の家から、我々兄弟は、羽田空港(!)から、英国に旅立った。

 さらに小さい頃を過した隣の、大井町。レコードや楽器を買い、リハーサルを重ねた店は、今や、さるマニアックな分野で大変に有名な楽器店となり、当時お世話になった方は、店長として、大変お元気で、健在でいらっしゃった。

 中学生の頃、僕が仲間と「ガロ」のコピーで演奏を始めた頃に、CSN&Yをやらなくっちゃダメだ、とアドバイスをくれた先輩も、家業のクリーニング店を続けていらっしゃった。それは、僕が考えるハーモニーの知識、感覚に大きな指針を与えてくれた。

 The Beatlesに衝撃を受け、Creamに驚き、Emerson, Lake & Palmerにしびれ、Jethro Tullを目撃して、今となっても消せない影響を植え付けられたのも、その街での小中学時代だった。

 ふだんと変わらない演奏会のはずなのに、何か、不思議な感覚にとらわれ、色々な感情が渦巻く。なんだ、上がってるのか?俺?

 シャケが回遊から故郷の川に戻ってくるの、こんな感じか…?