老骨の日々…光と影 ぬあんちて…


度々、ここに文章を書くときに取り上げるスロットカーレーシング…50m〜100mほどのコースにレーン別に溝(スリット…故にslot car racing.)が掘ってあり、その脇に、溝に並行して電極が渡されている。そこをモーターを積まれた1/24、1/32縮尺の模型自動車を走行させる、'60年代からの…まあ、古典的な遊び…である。そのサーキットが、我が家の至近に、忽然と出現し、この国に幾つも存在すら確認されないその施設を、自宅から徒歩5分の距離に有すると言う稀有の幸運に、悶絶せんとするほどに狂喜したのが、昨年の暮れも押し詰まった、師走の22日であった。…大仰だなぁ!

 二種類の縮尺、と書いたが、今や1/32が主流であり、店の反対側に設えられた、ラジコンカー用のサーキットに通い、熱中する者は、それなりの人数が居るものの、こちら側のスロットファンは、なんともお寒い限りなのだ。かつて、一緒に、都内にも数箇所あったサーキットへ通い、共に楽しんだ友人達も、50歳を超え、「お前の家の近所(埼玉県和光市!)って事は、俺んちから遠いって事じゃねえか」と、にべも無く、ひとり通っては、ラップカウンター(写真上)に、表示される、自分の記録に一喜一憂する日々なのである。

 そして、昨夜のことである。

 上から三番目の数字をなんとご覧になるであろうか!

 何十年単位でのブランクの果て、徒歩五分の至近に獲得したサーキットで、当初、出来合いの車を求め、最初に記録したタイムが7秒台(後の3レーンの記録が、一般的なのを、お判り頂きたい!…)であった。それでもコースアウトやクラッシュ、数知れず、自宅の僕の部屋などは、車両の改良の為の、工具や部品が散乱し、ある種、工場の様相を呈してさえ来た今日、この頃である。良い記録を出す方に出会えば、コツを伺い、ご自宅に押しかけ、話を聞き、質問をぶつけ、貴重な部品をお譲り頂き、日夜、ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返した4ヶ月。

 4秒台で周回する方が居ます。でも、そうなると、もう何が走ってるのか、見えません。と、お店の方がおっしゃった、通い始めのころは、ありえないスピードであろうと思い、万が一、そのスピードで走る車を作り得たとして、反射神経、動体視力など、それに見合うものが我が身に残されているとは思えなかった。

 しかし!如何であろうか?

 諦めてはいけない。50歳の年齢を見くびってはいけない。足立兄弟を舐めてはいけない!

 私は、兄と、この日のために演奏を続け、動体視力や反射神経を養い、ボケを防ぎ…いや、リハビリ…いや、そうじゃなく、老いを遠ざけ、一般と較べ、高くない能力の一つひとつを保持し、温存させてきたのではなかったろうか?

 うれちいっ!ともかく、うれちいっ!

 余力を残しての試験走行4秒台達成であった。問題個所を把握しているので、上手くすれば4秒フラット、三秒台すらそう無理でない目標と捉える視野を得ているのだ!

 …しかし、こんな文章読む奴居るんだろうか…?


 ま、まあ良いか・・・・・・・・。