schola TVからの音楽講義…おもしろかったぁ

 坂本龍一教授主導による、バッハの作曲技法、考え方を、歴史的背景、宗教観などを混じえ、若く幼い、十代の、三線エレキギター奏者なども混じる演奏家たちに実践させながら講義していく、30分、4回構成の番組を、3回ほど見られた。対位法や、通奏低音、三和音の発見と確立、その採用の歴史など、めくるめく思いで、興味深く見た。

 中でも、幾度と無く忘れられたバッハの作品を、メンデルスゾーンが、価値を再発見して再演した、マタイ受難曲を始め、モーツァルトが、ベートーベンが、再認識した対位法から、バッハめいた作品を残している事を知らされたくだり、音楽家が、王侯貴族お抱えの時代、「週末の晩餐会の為に、一曲」などとの依頼を受け、作品を残していった時代には、作品の反芻など、かなわなかった、という事実は、現実感をもたらされ、優秀な推理小説にも、滅多に感じないほどのドキドキ感を持って胸に迫った。

 そして、自分の作品の元になっているのは、バッハより古い時代、三和音以前の音併せと、それに伴う対旋律に近いのだと気付かされ、思い知らされた。だから、古い教会音楽や、アルヴォペルトの作品に、異常に反応が起きるのだろうとの類推が出来た。

 僕にとって、バッハの作品、King Crimosonの作品は、ある意味、幾何学にも似て、対位法の究極の形として、フーガが有り、譜面を逆にして演奏出来るような曲や、同じ事をずらして演奏していく技法など、生まれ変わったとしても発想すら覚束無い、作品に特に惹かれ、心ときめかされるのだ。

 聴取料、OK。NHK安いと思うなあ…。